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2012年05月26日

礼節と 自由の ハザマ

いまだに わからないことがある。
 

いっとき 韓国語の先生をして下さっていた若い学生さんは、

すごくおしゃれな  미남 = ミナム(美男)だった。

彼は 初対面のときも、 授業中も、 昼も夜も いつも いつも 人前で 帽子をかぶっていた。 

みなは 「礼儀がない!」 と言い合ったが、 アジュンマは あまり感じなかった。
 
それでも、 「いけない」 と 思った人が 彼に 物申すこともなく、 そのまま 過ぎて・・・
 
気がついた頃には かの先生、 帽子どころか、ボサボサ髪に 短パン、 スリッパ姿であらわれるようになった。

そのうち 完全に
 

 「たったいま 起きてきました」  びっくり!


の装いになっていた。

たしかに  アジョシ アジュンマ (おじさんや おばさん) 相手では  張り合いをなくすのは わかる。
 
礼節と 自由の ハザマ



で、 そのまま 月日がながれて・・・

先日 また同じような 事態に 立ち会った。 

某モアイの集まりで 新入りの若い男の子が かっこいい 「山高帽」 風 をかぶってきた。 

よく似合っている。
 
しかし 先輩男性から、 即座に 「はずせ!」 との命令が とんだ。 

ファッションなんですが・・・ といいながらも、

彼は 「はずす」 しかなかった。

にしても 先輩、 躊躇なく ズバッ! と 言うあたり、 今時 なかなか 見かけない光景だった。

ふむ・・ これも悪くない。  パンダ

礼節と 自由の ハザマ

 

しかし 依然として アジュンマは 帽子に 「不快感」 を 感じない。

目いっぱいそれなりに 頑張っているのが よくわかる。 

それは この アジュンマとても同じこと。 
ただ 山高帽ぐらいの インパクトがある おしゃれが できていないだけで。


男子の帽子、 アジュンマとしては どうでもいいことだが、

  まわりの人たちの反応が 多種多様で その方が むしろ面白い。 

帽子が トレードマークの 大学教授も いらっしゃる。 

手塚治虫氏といえば ベレー帽だし・・

同じ 帽子を かぶるんなら それぐらいの 信念を もたなくっては・・ 、 

ということか・・・

礼節と 自由の ハザマ


猛烈に大量発生中の毛虫 家の庭にも 大量に生息中


そういえば このあいだ 「孔子の教え」 という 映画が来ていた。
孔子の名前は よく聞くけど、 じゃあ 孔子って どんな人? というと それが まったく分からない。

それで 手っ取り早く知るために 映画を見てきた。
 
孔子は 礼節を 何よりも 重んじ、 「人は 死ぬ間際にも 服装を正すよう」 戒めていた。

 孔子の教え を守り、 

敵に 滅多切りにされて 虫のいきになりながらも、

よろよろと ころげ落ちた冠を 拾い、

震える手で 紐をきちんと結び直して、 

ようやっと 格好を整えて 満足そうに 死んでいった将軍の 最後を

立派と見るか?
 


礼節と 自由の ハザマ


毛虫の親! って これですか? 色目が 同じでしょう?


今は昔の オセロ中島の 一人コントに 今でも忘れられないのがある。
思い出すたびに 笑ってしまう。

よろよろと 倒れては がんばって髪を整え、 倒れてはまた、 パフを叩き、 倒れては まゆげを描き・・・・、

最初は 何をやってるんだか、 さっぱりわからずに 見ていたら 

よろよろ ようやっと 口紅を塗って、 完成したところに、 ピーポーピーポー 救急車の担架が 到着した。 
オセロは 間に合ったことに ホッと 笑みを浮かべ、 そのまま倒れこんで 

若い兄ちゃんの 担架で 病院に運ばれていった。
 
 

 
超 笑ってしまった。

先の 将軍の 最後の がんばりの 画面を 見ていたら、 オセロの このコントと重なって、

思わず 不謹慎にも 噴き出しそうになってしまった。 (いけない、いけない) ぶーん



こうなってくると 「礼節」 も、 「おしゃれ」 も、 「信念」 も 「美学」 も 

なんだか、 ごっちゃになって、 よく分からなくなってしまう。 

オセロの 「美学」 は 自分も しそうな気がするから(笑) わかる気がするけれど、

孔子の教えとは またちょっと違うような・・・

礼節と 自由の ハザマ



服装に 人格が出るにしても、 (確かに それはある!) 

だからといって、 それが 制服、 髪型の一律強制や、 
価値観のおしつけ、統制に 変節していくことになれば やはり怖い。

その兼ね合いが難しい。

望むべくは、 「節度」 と 「自由」 の均衡が 

うまく保たれた 「成熟した大人社会」 とおもうのだが、


実際は 帽子一つにでも あれこれが 生じる。
 
そのうえ オセロや アジュンマのような 

ただの人の 「美学」 まで 

入り込んできたりすると ややこしくなる 一方で・・・。


長髪、 ジーンズが 若者の 既成社会に対抗する 手段でもあった ひと時代 まえとは

ちょっと違う 微妙な はざまで

ふむぅ~ 

と悩むアジュンマです。

礼節と 自由の ハザマ


毛虫君 どうか 礼節を守って ほどほどに してほしいんだけど・・




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Posted by アジュンマふきこ at 10:22│Comments(1)がらくた話
この記事へのコメント
アジュンマさんの続報が聞きたくて仕方がない人ですが、今回のようなテーマ、グッドです。また書いてくれるとうれしい(アジュンマ応援団員)
Posted by himaken at 2012年06月08日 18:33
 
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