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2012年03月28日

東京物見遊山 その1 「金正男独占告白」 「ジェノサイド」

 「ゆうざん」 と思ってたら なんと 「ゆさん」 と読むんだそうな。 しらなかったぁびっくり!

 しばらく 用事があって 10日あまり 東京界隈に滞在。
合間を ぬって、今回は 結構 あれこれ 遊んできました。
忘れないうちに メモを しておくと・・・

1、本2冊 完読。 「父・金正日と私」 「ジェノサイド」

2、渋谷にある イメージ・フォーラムにて キム・ギドク監督 映画 「アリラン」 を観る

3、水戸(茨城県)の 偕楽園 梅祭り に。ついでに歴史博物館にも寄り 水戸藩の歴史を学ぶ。

4、甲府の温泉にて2泊、 骨休め。 昇仙峡や 武田信玄神社などをめぐる。

5、王子駅横の 飛鳥山公園散策
                                       などなど・・



東京物見遊山 その1 「金正男独占告白」 「ジェノサイド」


水戸の 偕楽園。3000本の 梅が植えられているとのこと。
例年この時期は もう散っている頃だそうだが、今年は寒くて まだ 3分咲きだった。


 ただ 今回 残念だったのは、 東京で 一番の楽しみにしていた 「パーマ屋スミレ」 (鄭義信 作・演出) という芝居のチケットが まったく入手できなかったこと。     

 前回の 鄭義信氏の 「焼肉ドラゴン」、 かなり話題になったようですが、  沖縄では見ることもかなわず 残念に思っていたところ、 今回 偶然 上京と 上演が 重なって 今度こそはと 期待していたのだったが・・・ まさかの ソウルアウト!! うわーん

 ここまで 人気があるとは・・・。  鄭義信氏といえば 映画 「月はどっちにでている」 の脚本も書いた方で、 本当に 残念だった。雨ぶーん
 

東京物見遊山 その1 「金正男独占告白」 「ジェノサイド」


桜の華やかさに比して 梅は どこか寂しげな 雰囲気です・・



で、 今回の ブログは 読書感想を すこし・・・


☆「金正男独占告白 父・金正日と私」 五味洋治著

旅行の合い間の 「時間つぶしにもってこい」 と 選んだ一冊だった。

先日亡くなった 金正日の長男、 「放蕩息子」 としても名高い 「金正男」 氏 と 一年半にわたってかわされたメールや、 著者との2度にわたる会談が 収録されている。

 後継争いから脱落して、 さてさて どんな遠吠えでもしているのか、 と 読み始めてみたのだが、 なんと 予想とは違って 「金正男」 氏、 単なる 美食家の ぼんぼん では なかった!! 

 駆け引きもさることながら、 さすが 一国の 後継者と目され 成長してきただけあって 政治にも長けた人物像が、 うまく 浮き彫りにされていた。
 
彼が 「北朝鮮の 中国式 改革開放」 を望んでいることが  よくわかると同時に、 おそらく北朝鮮内部にも そのような隠れた層がいるだろうことも うかがい知れる一冊だった。

 期待しないで読んだ本だったが、 読んでよかった本だった OK コレ! 


東京物見遊山 その1 「金正男独占告白」 「ジェノサイド」


こちらは 白い梅。 100品種の梅が 植えられているそうです。



☆「ジェノサイド」 高野和明著 角川書店

書評につられて 年末に買ったものの、 本自体の ぶ厚さと、 字の細かさ、 ゲーム本みたいな題名からして、 なかなか食指が動かず、 今まで捨て置いていた本だったが、 この機会に 取っ掛かりだけでも・・ と 「飛行機の友」 に 持っていった本だった。

しかし、 なんとまあ びっくり! この本、 読み始めたらば最後、 続きを読まずにはいられないほどに はまってしまった。
夜も 昼も 時間を作っては いっきに読み続けた。
はっきり言って、 物凄い! ただただ 凄い! の一言に尽きる。 すべての面で 感動! の 一冊だった。 

著者自身が 映画作りの世界から入って、 脚本等も 手がけていらっしゃる方のようで、 そのせいか 本を読んでいても、 大型エンターテイメント、 ハリウッドの アクション超大作映画 を見ているような 錯覚に陥る。 

しかも テーマが、 超人類の誕生の可能性を示唆しながら、 その 超人類から見た 大型哺乳類としての 現生人類とは、 そもそも なんぞや? どんな特性を持った 生き物なのか? というようなものだった。 

その答えとして、 ずばり 「現生人類は 大量殺戮を行うヒト」 という定義を 対置させつつ、 しかし、 物語自体は、 別個のものとして 独立して展開されて行く。


東京物見遊山 その1 「金正男独占告白」 「ジェノサイド」


猿回しの 見世物も でていました(^^)


確かに 人類は 歴史を持ち始めたときから 同じヒト族を殺し、 いくさに勝ち残って 支配を確立してきた。 
そして、 その支配を 安定させるために 他の地域にまで 出かけていって、 その地に生きる ヒト族を殺し、 従属させてきた。 支配の安定は 群雄割拠では困るからだ。
統一し、 その頂点に立つこと、 それが 世の平和と安定になる。 これが、権力を持った者の 論理だ。 
胸躍る 歴史スペクタル、 あるいは 英雄物語なんてのは、 何のことはない、 そんな勝者の物語でもある。 
裏を返せば、 強さが 我彼 どちらにあるか、 ヒトを殺して 決着つけているわけだ。

一方で 科学の発展が 善であるかのようで、 そのじつ 地球の寿命を 同時に 縮めてもいる。 
とりわけ 現代は 世界中の核開発で 地球全体が 放射能の危険と 隣り合わせに なっている。 
ヒトは、 科学の発展を通して ヒト自体を、 危機に追いやっているのではないか?  

はたして 超人類は こんな 現生人類を どんな風に 眺めるだろうか? なんと 愚かな 下等動物めら、 と思うだろうか? 

確かに そう思われてもしかたがない。
 
たしかに 人類は 愚か過ぎる・・・

 
東京物見遊山 その1 「金正男独占告白」 「ジェノサイド」


「雪割草」  一度は見たいと思っていた花に やっと 出会いました。 雪を割って咲く花・・ 


と、こうして かなり思い切った 大胆なテーマを 前面に 押し出しつつも、
この作家の凄いところは、 (というか この点にこそ 著者の ただならぬ 才能が 遺憾なく 発揮されているのではないか と思ったのだが)

うすぺったらな平和主義に 微塵も流されることなく、 完成度の高い 独立した ストーリーを、 別個に きちんと 組み立てている事にある。

生物学、人類学、科学、化学、等を 総動員し、 近未来的要素を含ませながら、 ペンタゴンの最高頭脳と 対決していく スリル・・・

なんといったらいいのか・‥ ただただ その スケールの大きさに 圧倒される。

いったい この作者の頭は どうなっているんだろう。 

高野和明氏のほかの本が読みたくなって、 帰り 羽田空港で 「13階段」 (文春文庫) (2001年 江戸川乱歩賞 受賞) を買った。

 作者の「あとがき」 から読んでみたが、 文章が また 颯爽としていて、 そのうまさに みぞおちあたりが キュッとなった ハート汗 
 
ほんとうに 久々に 感動した本だった ニコニコ

東京物見遊山 その1 「金正男独占告白」 「ジェノサイド」

 
偕楽園にて。 樹形がすばらしい。


東京物見遊山 その1 「金正男独占告白」 「ジェノサイド」


 
偕楽園、 聞きしに勝る 見事な 梅の園 でした。
 



Posted by アジュンマふきこ at 00:09│Comments(0)
 
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