ずっと前、ベトナムに行ったとき、 ホーチミンの市場通りにある 宿に泊ったことがある。
庶民的、 雑多な地域で、 朝から 地元の人で ごった返していた。
ベトナムでは 朝食は 屋台で食べる人が 多いらしくて、 この界隈にも 朝から フォー(麵)や、 バインミー(パン)、 それと ご飯に何か乗せて食べたりする「COM」の店とかで、 にぎやいでいた。
アジュンマは とある店先の 蒸し器が とても 気になった。
ゆげが ほわほわ 上がっていて なんともいえない 「おこわ」 のにおいが してくる。
ただの白い 「シンプルおこわ」 なのだけれども、 香りが、ものすごくよい。
さっそく 買って たべてみた。
店の おばちゃんは ニコニコしながら、 蒸し器の中に ごはんべらを 突っ込んで、 おおきくすくいとって 弁当用パックに 山盛りいれてくれた。
すると おこわの中に なにか大きいものが どーんと入っているではないか。
あれぇ~? と思いながら たべてみると、
なんと あの沖縄でも おなじみの
ターム(田芋)をつぶした 団子のようなものが はいっていた。
沖縄だけじゃなくて、 ベトナムにも あるんだぁ と驚きながら、
アジュンマの大好きな タームに 思いかけなく 出会えて 最高に うれしかった。
が、 驚くのは まだ早かった。
実は
タームの中に 肉まんのような味のする 肉のミンチが はいっていたのだった。
これには 二度 ビックリ!! ものすごく おいしかった。
以来、 自分でも どうにか いっぺん ベトナムのあれ を 再現してみたいと 思い続けてきた。
先日 金武町で タームの 畑を見たとき、 また強く 思ったのだったが、
たまたま 最近 ナンピョンが 栄町市場から タームを 買ってきてくれたものだから、
ついに 意を決して 挑戦してみることにした。
みためは サトイモのようだが 粘りもあり 風味がある。
問題は 肉まん風の 「ミンチ団子」 だが、つくったことがない。
ネットのレシピを 参考にしながら 簡単に アレンジしてみた。
タームを つぶすのは 試行錯誤で やってみた。
裏ごしは 手間がかかる。
すりこ木では なめらかに なるのに 時間がかかる。
うちには マッシュポテト用の つぶし器がない。
結局は、 煮て
あたたかいうちに 皮をむき、 手で 握りつぶして こねたら
あっという間に 簡単にできた。
材料は これだけ!
レシピは 以下の通り
1 肉団子は 中華風肉まんの 作り方を 応用する。
ニンニク、しょうがを炒めた フライパンに、
しいたけと えのきの みじん切りを いれて いため、 塩 しょうゆ ニョクマム(ナンプラー)などで 味付けをする。
すこしさまったら、 合い挽き(生) しょうゆ、ごま油で 味付けをし、 しっかりこねて 肉団子を つくる。
2 タームを 皮ごとゆでなおして、 あたたかいうちに 皮をむき 手でつぶしながらこねる。
塩、 しょうゆ、 砂糖などで しっかり 味付けをする。
片栗粉を 手にまぶしながら 団子状にまるめる。
3 タームを 手のひらで 薄く 伸ばして、 肉団子をつつむ。
タームの 肉饅頭の出来上がり
4 もち米は 水に 4時間以上 つけておいて、 蒸し器にしく。
その上に タームの肉饅頭を おき、 その上に 残りの もち米を いれる。
5 強火で 30分むす。 完成
*** *** *** *** ***
しかし ベトナムで、 食べたときとは 何か ぜんぜん様子が 違う。
アジュンマのは いくらなんでも 馬鹿デカ! すぎる。
ベトナムのは、 これより 団子が小さく、 また おこわのなかに 隠れていた。
「見た目の再現」 としては かなり グロテスクすぎる。
完全に失敗!
しかし 味については、 ほぼ こんなもんだったような 気がする。
正直 そこんところは すっかり 忘れてしまっている。
が、 似ているかどうかは 別にして、
味は ものすごく 美味しくて 大成功したと思う。
おこわの風味に、 タームの独特な味が 合わさって、 ものすごくいい感じ! なのと、
さらに 肉団子の味も はいってきて、 なんともいえなく おいしい。
中華点心で、
「肉団子のおこわまぶし」 見たいなのが あるけれど
それと ちょっと似た感じだ。
あれに タームが プラスされた感じ。
結果 初めての挑戦にしては、 なかなかだったと思う。
それで、 反省も含めて
次回は 最初から
アジュンマ風 創作メニュー
中華風 点心 「田芋の肉饅頭 おこわまぶし」
に 挑戦してみたいと思う。
サイズも かわいらしくして、
見た目も 考慮にいれて 完成度を 高めてみたい。
ま、 ということで 改良の余地、 おおいに ありながらも、
アジュンマ的には 念願達成に 大満足!!
[参考] 田芋について ウィキペディアより 抜粋
田芋の原産地は インド東部からインドシナ半島にかけての
熱帯地方であり、 一般的なサトイモの二倍体変種。
芋茎(ずいき)や若い葉も食用となる。
専用の水田で 栽培されることもあるが、 稲田の脇で栽培されることが多い。 水中で栽培するため ネズミに食べられたり モグラに荒らされることがなく、 台風にも強いため 非常用の食糧として 重宝されている。
特別な道具を使わずに 木の棒一本で栽培・収穫することができ、 水田に植えたままで 貯蔵できる など 利用しやすい作物であることから、
南西諸島において 稲作に先立って広く栽培されていたと考えられている。
加熱すると 一般的なサトイモより粘り気があり、各地で
タイモを潰して 餅状にした料理が作られている。 色は薄紫色で、 味は八頭に似ている。
米の餅の原型であった とする説もある。