色白は七難隠す、の王道

アジュンマふきこ

2011年09月26日 00:19

私が美人であればこれほどエステ通いの無駄遣いはしなかったと思う。美人は無駄遣いをしなくていいからなにかにつけてやはり得だと思う。良い人にとってはますます何事も良くて、悪い人にはどこまでも悪いという格差社会は、どこの分野においても、またどんなに小さな事にも存在していると思う。

 縫い縮める。切った。入れる。また縫う以外に美人の道はない。と、長年あきらめていた私はそれでもある日ちょっとしたきっかけで、ほかにも道があることを悟った。吉野の山の千本桜を見るために京都の電車に乗っていた時のことであった。ものすごい美人の御嬢さんがポッと電車に乗り込んできて、あまりの美しさに私の眼はたちまち釘付けになった。そのまましばらくみとれていましたね。時間がかかれば当然やっとその隅々まで分かるようになるもので、雛段飾りのお姫様顔そのままで、あるかないかの小さい細目に小さい口、源氏物語絵巻物に出てくる誰もが知ってるあの小さい鼻。あ~美しい。この世のものとも思えない雛段飾りのお雛様。そして次に分かった事が目と目の間が並はずれて距離があり、おまけに鼻の下が並み程度に長くおでこがほとんどない。どうにもこのバランスが釘付けの一因でもあることが徐々にわかってくる。しかし、何ともあ~美しい。

 何故かというと雪のように透明なそれはそれは色白なんです。マシュマロのふわふわにいつまでも触っていたいあのふわふわ感触が顔全体を覆っていて、顔がマシュマロだったんです。ほっぺがうす紅色にほんのり染まってなんともなまめかしいったら。何とか工面してでも12単衣を掛けてあげたい。その時私はやっとすべてのことがわかった!のです。 縫い縮める。切った。入れる。また縫う以外にも美人に向かうちゃんとした王道はあることを。色白七難を隠す、を目の当たりにじかに体験してしまった私が、その日以来エステ通いの坂道にあたふたと駆けつけてそのまま転げ落ちてしまったのは当然のことであった。と、思う。とうとうおそるべし、禁断の扉をあけてしまったのだった。

 スンチャン村のコチュジャン(고추장)作りの風景。 ぶら下がっているのはメジュ(메주)。メジュというのはテンジャン(味噌)、カンジャン(醤油)、コチュジャンなど大豆発酵食品のもとになる菌の塊。


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